- 欧州のトップリーグの試合も簡単に見れるようになった
- サッカーの専門用語も翻訳できる語学力のある人も増え、各国のサッカーの知識を本などで共有されるようになった
- これまで見えなかったものが可視化、言語化されるようになった
こういった背景もあり、ある程度の調べる能力さえあれば、サッカーを視聴しているだけの人でも、強豪国で求められていることを知ることができる今日この頃ですが、それらは、「強豪国で求められていること」であり、「誰でもできることではない」です。
要求される”普通”
僕自身、サッカーは大好き(のはず。最近はちょっと自信がない笑)なので、本を読んでみたり、できない外国語を必死に調べて「本当に現地のスタンダードなのか」を調べてみたり、試合をたくさん観たりします。なので、要求していることは、少なくとも「とにかくシュート打て!」だったり、「バックパスするな!」、「やりきれ!」よりは解像度が高いはずです。
じゃあ、僕みたいな人が最近はどんなことを"普通"として要求しているのかをまとめます。
オフェンス
- ボール保持の配置は5レーンを用い、1-3-2-5や1-2-3-5に可変をして、整うのは当たり前
- 個人戦術を駆使しながら攻略していく
- ラスト30mもローポストへ侵入しグラウンダーのクロス、ドリブルアットからのバックドアなどで崩し切る
- フォワードは絶対にゴールを決める
- ミッドフィルダーはパスミスなどしない
- ディフェンダーもビルドアップに貢献する
- ゴールキーパーもビルドアップに貢献する
ディフェンス
- アタッキングサードでは、相手のゴールキーパーを含めたビルドアップをハイプレスで奪える
- ミドルサードでは、相手のパスコースやドリブルを誘導し、自分たちの望んだ形でボールを奪える
- ディフェンシブサードでは、堅固な442や532、541(523)のブロックを組み、決して失点しない
- フォワードも組織的な守備に貢献する
- ミッドフィルダーは組織的なブロック守備をしつつもデュエルもする
- ディフェンダーは空中戦も負けず、裏抜けもさせず、1vs1でも負けず、カバーもする
- ゴールキーパーはディフェンスラインの裏もカバーし、空中戦は絶対に負けず、シュートは止める
トランジション
- オープニングでは、決して置き去りにされず、すぐに切り替えてカウンタープレッシングをしかける
- オープニングでは、相手を置き去りにし、確実にゴールを決める
セットプレー
- スローインは、絶対に失わない
- コーナーキックやフリーキックは、ゾーンでもマンマークでもMIXでも何でもいいけど、絶対に失点しない
- コーナーキックやフリーキックは、トリックでも何でもいいけど、確実に決める
サッカーは勝ち負けを競うスポーツだから求めるのは"普通"だけど...
書いていてビックリしたのですが、こんなことができるチームはほとんど思いつきませんでした。
シーズン通しては全くみていないですけど、20/21のチャンピオンズリーグ決勝戦のときのチェルシー。EURO2020の優勝国イタリアくらいでしょうか。20/21のリーガ・エスパニョーラの王者であるアトレティコ・マドリードもそうかもしれません。すべて"普通"のチームではなく、"トップ"のチームですらなく、"トップオブトップ"のチームです。
勝ち負けを競うスポーツなのだから、"強豪"でも"普通"でも、同じことを求めるのは"普通"だと思います。そうしないと差は縮まらない。逆転できない。
ただ、"普通にできることではない"という認識も同時に必要だと、最近は感じます。
要求する内容、達成率ともにレベルを上げすぎていて、達成できていないときに言葉が強くなっていたりしませんか?「より楽しむため」に行っていたものが、「指摘することでストレス発散」、もしくは「指摘することが楽しい」になっていませんか?
自戒も含めて、気を付けたいところです。