J2降格の雑感

2021/11/20

ベガルタ仙台

t f B! P L

 


2021年11月20日。


2試合を残してJ2への降格が決まりました。
私個人は、落ちて当然のシーズンを2年連続で過ごしたので、"悔しい"というよりも"虚しい"という思いでいっぱいです。


傷つかないように上手く書き換えた満足

9月25日の徳島戦での敗戦以降は、期待して傷付いたり、家族に悪影響が出るくらいなら、はじめから残留なんて期待しないというスタンスでいました。


「目先の試合で勝ってくれれば、それで満足」
「選手が頑張ってくれれば、それで満足」
「クラブが存在していれば、それで満足」


どんどん満足のハードルは下がりました。
偽りの満足なので、満たされませんが、ストレスのコントロールは可能です。
なので、今日も試合終了の笛を聞いても「あ、終わった」程度でした。
もちろん、良いことだとは思いませんが、事実です。書いているとメタ認知してしまうので、虚しいですね。


目標の重要さ

シーズンは残り2試合ありますが、チームは目標を失いました。


目標の重要さは、木山前監督も語っていました


「降格がない」となった。そうなったときに、現状では現実的に上位を目指せるような状況ではない中で、チームが数字として追う目標を、ちょっと具体的にはイメージできなかったのかなと。


目標が重要なのは、サッカーに関わる人でなくとも、ビジネスパーソンなら誰でも分かることです。
アクションは目標と現実のギャップを埋めるために行うもの。
なので、目標がなければ、アクションが起こせません。


目標を失ったチームにとって、以降の2試合は言葉通り消化試合でしょう。
個人個人には熱い思いがあるかもしれませんが、チームとしては終わりました。
少なくとも私の中ではシーズンは終わったので、もうまとめます。
何かと何かを比較するような分析ではなく、雑感です。


失敗による自信の欠如が意思決定に及ぼす影響

昨年、「本当に、勝たなくても、人は前へ歩けるのか」というnoteを書きました。
考えは今も変わりません。


勝たずに得られるものってなんでしょう。

失敗は成功の母
高い勉強料
悔しさをバネに

いい言葉が世の中にはたくさんあります。
でもそれって、最後に勝たなきゃ言えない言葉です。

勝たずに得られるものは、先の見えない恐怖。
失うものは、間違いなく自信だと思います。


戦えなくなるその前に。
勝つことでしか得られない、成長の実感。道の正しさ。自信。信じる力。


サッカーのような、複雑な状況における意思決定は、分析から生まれるのではなく、直感で行われます。


直感とは、神秘的な力ではなく、自分自身の経験の積み重ね。歴史です。
成功、失敗に関する数多くのフィードバックを通じ、実践が蓄積したもの。
自分の思考や感情の経験に基づいた確信。
大多数の意見とは無関係な、自分の観察と思考に基づいた確信。
それらを、闇雲に信じるということではなく、確信を抱くときに生まれる、確かさと手応え。
これを直感と言います。


直感は、自分自身の経験や自分の思考力・観察力・判断力に対する自信に根差しています。
自分を信じることができてはじめて意思決定ができるのです。


ベガルタ仙台は2020年から今まで、サッカーというゲームから失敗のフィードバックばかりを受けてきました。
要は、とことん勝てませんでした。
結果、直感的に失敗すると確信してしまい、リスクを避けた、自信のないプレーを選択。
そのリスクを避けたプレー選択すらも、失敗のフィードバックをすぐに受ける。


何をすればいいのか分からない。
理にかなった信念が存在していないように、外からは見えました。


今シーズン、1度だけ練習を見学できる機会がありました。
試合後に休暇を挟んだ翌日だったので、恐らく"いつも通り"の練習でしょう。
その練習の最後に原崎コーチが力を入れて指導していたメニューが、素晴らしかったのです。


「ああ、相手に関わず、これをチームはやりたいのか」


・・・と、一気に納得しました。
スターティングイレブンのメンバーも、ポジションによっては納得できるようになりました。


今日の湘南戦も、そのメニューのプレーをやる状況はできていました。
でも、特に前半は、そのプレーを選択しませんでした。


自分を信じることができない、自信がないから、他人に対しても要求できないのだと思います。
自分は必ず成し遂げると約束できないから、こうプレーしてくれと要求できないのです。


変わる痛みを受け入れて前に進むこと


「クラブの歴史は続くし、チームは存続するし、生まれ変わらなければいけない。」
「サポーターとスポンサーとクラブ、地域、すべてが生まれ変わる覚悟を持つべきだと思います。」


手倉森監督の言葉を他人事のようだと感じる方もいると思いますが、私は客観的なフィードバックだと感じました。
事実ですから、耳が痛い言葉です。
ですが、受け止めて、生まれ変わらないと、同じことを繰り返してしまいます。
J2のチームがベガルタ仙台よりも上手で、かつ、強いということは、今年アビスパ福岡や徳島ヴォルティスと試合をして、身に染みているはずです。


来年は、勇気のあるサッカーがみたいです。
勇気とは、苦痛や失望をも受け入れる覚悟のこと。


2020年のような蛮勇、2021年の逃げるプレーは、心が疲れました。
私が愛しているベガルタ仙台は、勇気のあるサッカーをしてくれる、勇気を与えてくれるチームです。
2022年のベガルタ仙台は、期待しています。


がんばれ

2021年も、あと2試合、つらいけど、最後までがんばれ。
声出せなくて、一緒に戦えなくて、本当につらい。がんばれ。
声出して、ルール破ってまで、傷つけてくる奴らから守れなくて、本当にごめん。
がんばれ。


参考文献

  • [愛するということ, エーリッヒ フロム, 紀伊國屋書店, 2020/09/10] 
  • [急成長を導くマネージャーの型 ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン"なマネジメント, 長村 禎庸, 技術評論社, 2021/11/13] 
  • [TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる, ズンク アーレンス, 日経BP, 2021/10/14] 

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