2021年に読んで面白かった本ベスト5を紹介します。
ベスト5ですが、どれも素晴らしかったので紹介順は関係ありません。
※なお、発売日ではなく、私が2021年に読んで面白かった本なので、ご注意ください。
愛するということ
1つ目は、紀伊國屋書店から出版されているエーリッヒ フロム氏の「愛するということ」です。
発売日は2020/09/10で、30年ぶりに訳文に大幅に手を入れた改訳・新装版となっています。
「愛」とは「誰もが簡単に浸れる感情」ではなく「技術」。
「技術」なので、活用するためには「知力」と「努力」が必要だという考え方はとても面白かったです。
「技術」なので、活用するためには「知力」と「努力」が必要だという考え方はとても面白かったです。
愛については本を読んでいただければ良いと思いますが、「感情」を受け入れるものではなく、「技術」でコントロールするものだと捉えなおすのが私にとって画期的でした。
これまでは自分自身の喜怒哀楽をメタ認知し、そうなるトリガーを見つけ、避ける、あるいは飛び込むことはできていました。
しかしながら、そういった自分で作り上げた生きるためのシステムは脆いものであり、システムが守られない際には「感情」を受け入れることしかできませんでした。
ここに、フロムの「技術」を取り入れることで、「感情」をただただ受け入れるのではなく、一度自分でコントロールしようというアクションを入れることができました。
私はアンガーマネジメントが特に苦手なため、この一工程を挟むことで、崩壊しないで済むことが増えたように感じます。
また愛は「愛する側」の問題ではなく、「愛される側」の問題だという誤解が多いという考えも私にとっては大きな教えでした。
ついつい批評家になりがちな自分を内省している皆さんにオススメの1冊です。
TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる
2つ目は、日経BPから出版されているズンク アーレンス氏の「TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる」です。
発売日は2021/10/14で、2021年に発売された知的生産の本では、1番面白かったです。
「TAKE NOTES!」では社会学者ニクラス・ルーマンが生み出した「ツェッテルカステン」というメモ術について紹介されています。
「ツェッテルカステン」は知的生産界隈では有名なメモ術で有意味学習を進めるための必要条件を実践することができます。
「ツェッテルカステン」は知的生産界隈では有名なメモ術で有意味学習を進めるための必要条件を実践することができます。
やり方については「そこまで詳細に書いていいの?」というような要約が各ブログにまとめられています。
そのため「ツェッテルカステン」について知りたいだけなら、わざわざ買わなくても良い1冊です。
それではなぜこの本を推すのか。
「TAKE NOTES!」は更に根本的部分である「〇〇とは何か」について、よく考えさせられ、学ばされる一冊だからです。
学習すること、理解すること、考えることとは何なのか。
意思決定、直感とは何なのか。
なぜ我々の書き言葉は、頭の中の思考を完全に写し取ることができないのか。
そういった疑問を、読み書きをし、独学をしている皆さんなら1度は考えたことがあるでしょう。
「TAKE NOTES!」を読めば、それらについて著者、そして自分自身と対話をし、自分の言葉に翻訳して書くことができるようになります。
リモートワークで、言葉でコミュニケーションをしながら働いている皆さんにはオススメの1冊となります。
習慣の力〔新版〕
3つ目は、早川書房から出版されているチャールズ デュヒッグ氏の「習慣の力〔新版〕 」です。
2021年・・・いや、2020年からコロナやリモートワークに甘え、家でダラダラと過ごしていた私。
それが、ある日を境にウォーキングをはじめ、ダイエットも順調に進み、その他の習慣も継続されるようになりました。
これまでは「ジムに行こう」という気持ちはありつつも、何かと理由を付けて行かなかったにもかかわらず、急にできるようになるなんていうのはおかしな話です。
しかし、この習慣の力を味方に付けること。
要は、そうすることが望ましいと理性の脳で分かっていても、衝撃の脳によって習慣にできなかったことを習慣化できるようになれば人生は大きく変わるのではないか?
そう考え読んだ1冊でしたが、見事的中しました。
要となる習慣「キーストーン・ハビット」を見つけた私は、「自分は変われると信じる習慣」ができ、習慣をコントロールできるようになったのです。
今ではなぜか綺麗だから洗う必要がないお風呂を毎日洗い続け、洗剤使いすぎと怒られるようにまでなりました。皆さんはほどほどに。
来年こそは!と意気込んでいる皆さんの年末年始の課題図書としてオススメの1冊です。
成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法
4つ目は、日本能率協会マネジメントセンターから出版されている加藤 洋平氏の「成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法」です。
元はと言えば「人が成長するとは、どういうことか」という本を読んでいたのですが、全く理解ができず、まずは成人発達理論というものを調べてみようとなったことがきっかけで買いました。
私はマネージャー役職ですが、ベンチャーという便利な言葉のせいで成長支援の担当もしています。
そのため、1on1、コーチング、ティーチング等の成長支援の手段についても独学せざるを得ないのですが、「適したタイミングで適した支援をする」というのがとても難しい。
子ども向けの教育本(モンテッソーリ教育等)を読んで、成人に対して実施してみる等の試行錯誤を繰り返す日々です。
そんな中、ついに成人向けの学問「成人発達理論」があることを知ることができたのです。
本との出会い以上に「あるに決まっているけど見つけられなかった学問」と出会たことに感動しました。
この本を読んで救われたのは、能力のレベルは常にばらつきがあり「昨日できたことが今日できなくなることは当たり前だ」と言ってくれたことです。
「昨日できたことが今日できなくなる」ことに落ち込むのは、実践者だけではなく支援者も同じなのです。
「教え方が悪かったのではないだろうか」「教え過ぎたのだろうか」「教えなさ過ぎたのだろうか」
そんなことを考え、自分自身と対話しながら眠れぬ夜を明かしたことも何度もありました。
能力のばらつき「変動性」の要因は「環境依存性」「課題依存性」に加え、「精神的状態」「身体的状態」が影響を及ぼします。
フレームワークさえ分かれば、あとは何が原因かを突き詰めて、ギャップを埋めていくことができます。
その際に更に後退してしまっても過剰に落ち込まず許容することができるようになったという点で、この本は成人の成長支援をしている方にはオススメの1冊です。
独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法
5つ目は、ダイヤモンド社から出版されている読書猿氏の「独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法」です。
通称「鈍器本」と呼ばれるこの本は、本屋さんがあると用もないのにフラフラっと寄る習慣のある皆さんなら1度は目にしたことがあるでしょう。
私は電子書籍派なので読んでいく内に「あれ、全然進んでないぞ・・・」となり、その分厚さに気づきました。
独学大全を読むことで、改めて手を動かすことの重要性について気付かされます。
読むだけでは情報の消費者止まりで、知識化し実践することには程遠いのです。
リモートワークでドキュメント文化を進める弊社では、ドキュメントを読むだけのフリーライダーが一定数います。
そういった人間は読むだけだから書く人よりも余剰時間があり、成果が出せると思い込みがちですが、数値ベースでみるとパフォーマンスが悪いのです。
それもそのはずで、彼ら彼女らは書くことで自分の言葉にする、血肉化するという「思考と言語運用のリソースを拡張」する工程をしていないので、結局クライアントとのコミュニケーションコストがかかっていたのです。
機械的記憶では早期に頭打ちとなるため、有意味学習をする必要があるという事実を理解させるだけではなく、納得までさせられるという点で、独学者のみならず、成長支援をする皆さんにもオススメの1冊です。
まとめ
以上が2021年に読んで面白かった本のベスト5です。
他にもたくさん面白い本もありましたし、面白そうだなーと思った本もたくさんあります。
2022年は知的生産系の本をいくつか読みたいのと、小説も読みたいですね。
「三体」に興味があるので、楽天koboのまとめ買い〇%OFFでの購入を狙っています。
皆さんも面白い本があったら是非教えてください!
年末年始もよい読書ライフを!