プレーイング・アイディアは理想のサッカー
理想のサッカーのことを、プレーイング・アイディアといいます。
プレーイング・アイディアは、自分たちの状況は考慮しません。
監督が志し、チームに求め、人々にサッカーをどう見られたいのか、という表れです。
あくまでも理想のサッカーのため、変化が少ないものでしょう。
ゲームモデルは現実のサッカー
対して、自分たちの状況を考慮したものをゲームモデルといいます。
自分たちの状況には以下が含まれます。
1. クラブ、国、街の文化や歴史
2. どんなクオリティーのどんなタイプの選手がいるのか、揃えられるのか
3. システムやフォーメーションは何か
4. 自分たちが参加する大会でどのような立ち位置なのか
5. 自分たちが参加する大会での目標は何か
6. 予算、施設、スタッフ、天候などの環境
ゲームモデルは、チームから最大限のパフォーマンスを引き出すための手引書です。
最大限のパフォーマンスを引き出すために、チームとしてあるべき姿が描かれ、選手たちが求められるプレー原則が導き出されます。
プレーイング・アイディアとゲームモデルの違い
プレーイング・アイディアは理想のため、変化が少ないものでしょう。
しかし、ゲームモデルは保有する選手や他チーム、クラブの状況といった不確定要素が多いものです。
中でも他チームは、自チーム同様にプレーイング・アイディアとゲームモデルのギャップを埋めるためにアクションを起こします。
自分が改善や積み重ねをしても、相対的に見ると、より不利な立場になっているということがあり得ます。
特定の他チームを考慮するものはゲームモデルに含まれるか
特定の他チームだけを考慮するものは、ゲームモデルではなく、ゲームプランといいます
自分たちのゲームモデルと相手チームのゲームモデルをぶつけた時にどういう試合になりそうか。
お互いの選手やシステムといった要素から起きる相互作用を考慮し、自分たちのゲームモデルを相手に対して、より有効に実現するためのものです。
まとめ
サポーターは監督がどういったプレーイング・アイディア、ゲームモデル、ゲームプランをチームに設定しているか理解することができません。
しかしながら、それらの違いを理解することはできます。
違いを理解しないと、チームへ誤ったリアクション、フィードバックをしてしまい、プレースタイルを矯正してしまう可能性が高まるため、注意が必要です。
参考文献
- [「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論, 林舞輝, ソル・メディア, 2020/08/07]